脚本分析に、マインドマップを使います。
一つの作品について、 240個から500個以上の要素に分解します。多いと感じるかもしれませんが、実際にやると足りないくらいです。
何を分解するのか
分解するのは、台詞の裏にあるものです。
演劇にはサブテキストという言葉があります。台詞として口に出される言葉の下に流れている、本当の意図のことです。
たとえば「大丈夫」という台詞。
本当に平気なときと、限界のときで、まったく同じ言葉が出ます。同じ音なのに意味が正反対になる。この差を決めているのが、下に流れているものです。
・心配しないでほしい
・これ以上聞かないでほしい
・自分に言い聞かせている
・相手を試している
どれを流すかで、場面の意味が変わります。台詞は一言も変わっていないのに。
なぜ500個必要なのか
一つの台詞に対して、掘れる階層がいくつもあるからです。
1. この台詞で、相手に何をしたいのか
2. なぜそれをしたいのか
3. その背景に、どんな過去があるのか
4. 言わなかった選択肢は何か
5. 直前に何を考えていたのか
一つの台詞から、これだけ出てきます。台詞が100個あれば、それだけで500個に届きます。
分解しないとどうなるか
決めていない部分は、本番で必ずぐらつきます。
台詞は覚えているので言えます。でも「なぜ今それを言うのか」が決まっていないと、言い方が毎回変わる。安定しないか、あるいは何も考えずに一定になる。
どちらも、客席には伝わります。
マインドマップを使う理由
箇条書きではなく、マインドマップにするのには理由があります。
サブテキストは階層構造だからです。一つの要素から枝が分かれ、その先でまた分かれる。この構造を線形のリストで書くと、関係が見えなくなります。
また、全体を一望できることも重要です。ある人物の要素が極端に少なければ、そこが手薄だと分かる。
仕事の資料でも使えます
これは脚本に限りません。
企画書や提案資料も、「何を書くか」の前に「相手をどうしたいか」を分解しておくと、構成が決まります。
表に出す言葉は一部で、その下に大量の判断がある。この構造は、たぶんどんな伝達でも同じです。
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