稽古では動けていたのに、初日に固まる。
肩の力を抜こうとしても抜けない。深呼吸しても変わらない。
そういう人を何人も見てきました。
順番が逆です。
目が散って、そのあとで関節が凍る
固まっている人を観察していると、はっきりした順番があります。
先に視線が散ります。どこを見ればいいのか分からなくなって、
細かく動く。相手を見たり、床を見たり、客席のほうを見たり。
そのあとで関節が動かなくなります。膝が伸び切り、肩が上がり、
呼吸が浅くなる。
体が先に固まったように見えますが、始まっているのは目です。
だから、体に手を打っても効かない
この順番が分かると、なぜ対処が効かないのかも分かります。
「力を抜いて」「肩の力を抜いて」「深呼吸して」。
全部、二番目に起きたことへの対処です。
原因のほうは、まだ動いたままです。だから抜けても、すぐ戻ります。
手を打つべき順番は、体ではなく視線が先です。
視線は、意識で止められる数少ないもの
呼吸や筋肉の緊張は、意識してもなかなか変わりません。
むしろ意識するほど硬くなります。
意識して動きを操作しようとする度合いを先に測ってから
ボールを投げてもらう実験では、意識が強い人ほど腕の動きがばらついていました。
ところが視線は違います。どこを見るかは、決めればその通りにできます。
「決められる」ものが視線しかないので、そこから入ります。
具体的にどうするか
本番前に、最初の30秒だけ視線を決めておきます。
登場して最初にどこを見るか。次にどこへ移すか。
2つか3つ決めておけば十分です。
決まっていると、目が散りません。
目が散らなければ、関節も凍りません。
これは「落ち着け」より、はるかに実行できる指示です。
稽古で確かめる方法
本番と同じ緊張は作れませんが、近い状態は作れます。
通し稽古の初回 、あるいは外部の人が見学に来た日 。
そういう日に自分の視線がどうなっていたかを、あとで人に聞いてください。
「目が泳いでたよ」と言われたなら、そこから先の硬さは全部その結果です。
録画があるなら、顔だけを見返してください。
体の動きではなく、目の動きだけを追います。
まとめ
・初日に固まる人は、視線が散ってから関節が凍る
・順番が逆なので、体への指示は効かない
・視線は意識で決められる数少ないもの
・最初の30秒だけ、どこを見るか決めておく
・確かめるには、録画で顔だけを見る
固まる問題は、体の問題ではなく視線の問題として扱ってください。
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