第五回公演稽古日誌

稽古日誌2021年3月2日 広瀬ヒロ

🧡稽古前🧡

お昼に高校生の見学者様が来た。

ジェネレーションギャップにも驚いたが、

演劇の質問に関する返事がさらに私を驚かせた。

演劇へのモチベーションの原動力という質問に対して、

参加費や交通費などといったお金は全て自分でバイトして払ってると返答した。

全て自分の責任。

思考に年齢は関係ないのだけれど、

17歳でそのように思えて実行できる姿勢に

ハッとした。

どういった過去の出来事(コンテクスト)があるのか、

役者として気になる。

🧡アップ🧡

ストレッチ→筋トレ→発声→はっしーと読み合わせ→体幹→発声

【発声】

体幹前と体幹後に発声練習をしたが、

圧倒的に体幹後のほうが発声練習しやすかった。

「吐く」「吸う」のお腹背中の状況が段違い。

体感することでインナーマッスルに力が入る。

発声するときも、腹内の下側に力を入れ続けることが必要。

おそらく、インナーマッスルに力を込めやすくなったのが理由なのかな。

お腹に力が入るので、息を吐ききることができ、それで息を吸いやすくなった。

【はっしーと読み合わせ】

稽古前だったので、アクションを意識して読んでみたが、

それでは、アクション付きのセリフを丸暗記することになってしまう。

「相手に何かをする」

一旦、書いてあるアクションは無視して、

相手が反応するまで見つめてみたり、

相手が分かってくれてると自分が思うまで単語を繰り返したりした。

◯このシーンで初めて英二が来ることを知ったのか?

今までは、「初めて」という意識で演っていたが、

そのリアクションができないのであれば、自分の状態にも近い「知っている」という前提で背景を練り直した。

※詳細は🧡半立ち稽古🧡参照

🧡マジカルラブリーバナナ🧡

『①稽古に参加してない別の人の名前』『②稽古に参加した人同士でシャッフルした名前』で3段階変化有マジカルバナナをした。

①は、あまり最初のほうに回ってこなかったのもあって、

自分が受け持つ名前のリストが出来上がり、比較的苦労せずに遊ぶことができた。

②が惨状で、まず自分に回ってきていることに気付かない。そして、自分が今まで受け持ってた名前を呼ばれた瞬間出番じゃないのに反応しちゃう。

ここでリストが崩壊し、①に戻っても続かない……、なんなら自分の名前に戻っても反応できなかったりした。

この1ヶ月間ラブリーなマジカルバナナをやっていて、ある程度みんなの名前のリストが仕上がっていて、名前のことは考えなくてもいい状態にあった。

今の名前の段階がA・B・Cのどこにあるのかを追うだけでよくなっていたので、続くようになっていた。

他人の名前を受け持つことで、

「自分の名前リストを思い出す」

「相手の名前リストを思い出す」

「A・B・Cのどこにあるのかを追う」

といった感じで、二段階考えることが増えた。

それで、二ステップ反応が遅れ続かなくなった。

これはお芝居にも言えることで、

セリフを覚えていなかったら、

思い出すという1ステップが増える。

それで、相手へのリアクションやアクションが遅れ(意味のない間)、「話す」ことができなくなる。

発声や姿勢も然り。

慣れていい部分は慣れて、

稽古中や本番中でのそれらへの意識が最小限になるように日頃から自主練する。

🧡半立ち稽古🧡

『ソフト(脚本)が変われば操作方法(演じ方?)も変わる』

昨日の稽古では、まだ操作方法が確定していない状況だった。

昨日までは、上記のような考え方すら、私は抱いてなかった。(脳内でふわふわ感じていただけ)

今日の稽古では、操作方法を森本くんが気付いた。

今回の『バクは夢以外も喰う』の脚本では、

文字(セリフ)情報としての説明が少ない。

セリフに+αして、声の変化・呼吸の変化・動きの変化などがないと、内面で揺れ動く気持ちの変化を見てとることができない。

※今までの脚本は脚本として文字で説明されてるから、読むだけである程度の気持ちの動きがわかる。だから、出し過ぎると冗長になってしまい面白くなくなる。

今まで出そうと意識しないように制限していた私とはっしー(別のソフトの操作方法をしようとしていた状態)、そして最近入団したさんちゃんのエネルギッシュな半立ち稽古を見て気付いたらしい。

確かに。

出そうとすることが怖かった。

直前行動の一発ギャグは魔法みたいで、

恐怖心がなくなる。

目がガンギマリしてたらしい。

怖。

さんちゃんは、はっしーとの半立ち稽古のとき、

後半のシーンを出そうとしてしまって、

ごめんなさい……と謝っていたけれど、

個人的には後半のシーンも説得力があって、

想像が膨らみました。

香住の高校時代、何があって、

あのシーンで涙が出たのか。

何かあって、声が裏返ったのか。

そこにすがることに必死な様子を見て、

思わず魅入ってしまった。

“出す”ことに対しての引き出しの多さがそうさせるのか?

代替の想像力がそうさせるのか?

◯今回の公演『バクは夢以外も喰う』の序盤の稽古では、

まずは、“出そう”として演技しても良い。(≒引き出しを増やす?)

最終的には自然に出るようになるように稽古する。

ただし、慣れとは別。慣れは相手が変わっても変わらないこと。

最後のはっしーとの半立ち稽古では、

英二を利用するというアクション一択。

英二が来ることは知っていた。

むしろ、英二に現状を救ってもらうために出張買取サービスを利用したと想像した。(こちらのほうがしっくり来るかもしれない)

『出そうとする』『アクション一択』『直前行動(そわそわしてる状態)』の3つの影響で、

迷いなくエネルギッシュにそこに居れた。

ただ、公演でエネルギッシュな状態が1時間続くとしんどいので、そこで「動」と「静」をコントロールできたらいい。な。

🧡明日の稽古前にすること🧡

「動(明)」と「静(暗)」を意識して脚本全体を読み直す。

⬆️形容詞なので曖昧だが、今回の脚本は「明るい」と「暗い」の構成は聞いているので、明日はとりあえずそれに沿って考えてみる。