稽古日誌

【稽古日誌】2021/7/10 喜多健介/容原静

今日は型式に拘らず描き始めよう。
話を聴くこと、話すことは難しい。
何処まで人生を必死に生きてますか。この時間帯は無駄ですか。そうではないですか。駄目だったら死にます。昔の日本兵はそれぐらいの意思で生きてたみたいですが、それを話して本当にそのように生きてた人間ってどれほどいるのでしょうかとちょっと前に見た日本の一番長い日を思い浮かべました。あの映画に出てくる日本兵は死にものぐるいで戦争終結、敗北へ向かう日本と向き合っていましたが、その向き合い方で向き合っているか逃避しているのか浮かんでおりました。しかし、本当に生きることに必死だからこそ、生命が滲んでおりました。
話はそれましたが生きることに向き合って、今ダメなら首を切る、それぐらいのリアル感覚で人生を語れますか。語れないならば、人の心を動かすなんて烏滸がましいと思います。
私はできない。そんな覚悟持っていません。素人です。舞台に立つ資格はない。でも、持つ。持とうと試みている。斬られまくる。殺されまくる。生命がもたない。涙を流す。血を吐く。そうなる立場。
無理をするなんて、できない。ただ立とうとするだけ。僕が今できることはそれだけ。あとは何もできない。やれるなんて思うな。お前にまだその行動は取れない。
護っているし、出来ると思っている、烏滸がましさ。
僕は心を動かす人になりたい。芝居を通して人生感覚が変わっていく。変えるために芝居を利用している。
非常に生き生きとして、この人生は素晴らしかった、もしくはクソすぎたオエーーーっていうような人間になりたい。
ノーベル文学賞、芥川賞、映画の各賞に出てくる人生でいたい。
いきていきます。いちいちと。

稽古の話をしまっせ。

■稽古前
台本を読もうとしたが、あまり読めない。早く稽古場に行って読もうとしたが、できなかった。休むことに時間を使う。今日は仕事が休みだったが、稽古まで一瞬で時間が使われた。易々と演劇は出来ないと思い知る。
無理に読もうとする。体制を変えたい。力を発揮するために動きたい。他人からの要請ではなく、自分の要請で動きたい。本当に今何をしたいのか。出来ないならばできない。出来るなら出来る。やるならやる。やりたいからやる。困惑、うまくできないのは何故か。自分が自分を隠したり、欺いたりするから。欺かず、素直な自分でいたい。

稽古再開から3日目ぐらい。少し視線が芝居に向いてきた。

■稽古
少し遅く着く。遅めに着くのが身体に定着している。

●アップ
・発声
エネルギーが出せない。出せないから、早く読む。スピード!! パワーを生み出すために早く。そして早くセリフを言えないから、舌が回らないから回しておく。本番のときにごまかしはできない。自分がそのまま出る。油断するな。甘えるな。今つくさなければ何もできない。
発声しながら少しずつ意識の分散。

・体幹
今日は久しぶりに追い込む。14分が限界だった。限界まで追い込め。
あと、そろそろ筋力トレーニングにも挑戦して良いと思った。ちょっとサボってるから。

・その他
アップの時はアップに集中。台本を読み込めてないなら、読もうとか意識が外れそうになるが揺らがない。もっと今やっていることに集中。他の部分は他の時にするべきことがある。出来ないならばできるように、体制と向き合い挑戦すべき。自然と成すべきような自分になる。

・朗読
今日は椿ちゃんとひかりちゃん。

■椿ちゃん
今日は昨日より良い体制で挑めた。成長。
もっと暴れられるように良い言葉を与えられれば。

■ひかりちゃん
舞台に立つときの姿勢等に演技指導のフェーズが傾いている。少しずつ演技の心の部分まで演出が出来る私であればええなと思う。

・マジカルバナナ
あまり覚えていない。というより書く気がでないので書かない。怠慢やね。

・数字飛ばし
みんなは人を見るが、僕は見ていない。何をして、していないかにフェーズが傾いている。今度は敢えて線を追うことにアクションしても良い。

・公演稽古
聡生さんメイン演出で稽古。
どういう風に舞台をつくるのか、私との違いは何か、感じる。自分は何ができて、できないか考える。舞台に立つ側と観る側。何を与えられるか。
私は私でいようと思う。演出。私が与えられる最高でやる。今まででない今をしようと気が引き締まった。自分がやりたいと思ったこと、やることをやる。遠慮をしないことを志す。
その中で自分自身の感覚を拓いていく努力を自分に課すこと。五感を磨くこと。人を見ることと聴くことは並大抵では出来ない。演出として目の前の役者と向き合う力は凄まじく高い。楽しみだ。
役者でも出る。自分が出るならと稽古に参加しながらどうしようかとか逃げそうになるのを抑える。出来ないことはできないままに。立つ資格ないなら、立つな。それでも立つなら、立ちやがれ。周りがどうするかは別問題として。
役者としてはエネルギーをどうだすかを課題。始まると今の体制では出せないと相手を受け止めようとする。しっかり話そうとするが、ダメ出し。噛みすぎていたみたい。噛まず、話しながら気持ちを伝える。場に流れる時間の上に乗る意識。言葉をそのまま吐き出す。話を聴くこと、見ること、台本を読み込むこと。それはできていない。僕は役者の土台に立っていないズブ素人やな。感じる。
出来ないから、今の状態で乗ることを心がける。そこから気持ちから湧き出るときに湧き出した。出来ることは僕が思っている以上に少ないなと思い知った。感覚をむき出しにして感性豊か、全てを白紙にして今を生きる、そして今までを土台にして生きる。それで立つこと。
相手を殺す、潰すことを心がけた。周りが何をしているかしたいか。私が何者か。生きたい。生きるために何を求めているか。舞台上に至るまでの関係で何を望むか。必死に相応しいテーマが見出せるように必死に生きたい。私が生きると相応しくなるために。もっと潰せ。思っていることを行為する。本気、本気、本気。
芝居は芝居。稽古以外の空気とは切り分けて。芝居で躍動する人々でありたい。私はそれをする。
今日の池田くんの顔は生き生きとしていた。舞台上で彼より経験のあるモノが負けている。その程度か、人生。人に見下されたり、馬鹿にされたりされたら嫌やん。くだらない人間に見下されたらムカつくはず。心からの叫びは何処へいった。自分から人に見下されるようなスタンスを築くのは勿体ない。お前ら、俺らそんなもんじゃない。もっともっと自分もクリアーになって、今に相応しい芝居ができるように血潮をかけて今と向き合えるように努力したい。

・その他
人と話す、聴くは並大抵では出来ないと思う日だった。僕はできていない。
向き合えない私はその理由がない。或いは育てていない。
私は人間でいたい。人と対話できるようになりたい。
演劇は、そのチャンスがある。だから食らいつく。お前らが嫌やと言っても俺は逃さない。俺のステージにする。だから、勝つ。

みんなの感覚を学ぶ。いろいろなことを知れる。知識となる。
新しいことを知れる。自分の勉強となる。振り返る。変わろうと考える。
みんな、自分の凄いを魅せる。私も魅せる、その意気を思う。その場を取り繕うなんてするな。俺のままに生きる。話す。それが一番の貢献となる。
今回は演劇に携わる人になる。演劇人になる。それが目標。