稽古日誌

【稽古日誌】2021/7/2 喜多健介/容原静

⭐️稽古前
今日は愛がテーマ。伝える。舞台は戦場。強い信念を持つ。俺はまだまだ甘い。
彼岸へ何を届けたいんだ。愛だ。思いだ。
何を形作っているんだ。何を思い込んでいるんだ。
案外低いぞ覆ってる壁は。早く乗り越えて走れ。しっかりと見つめてやれ。応えてやれ。
負けんし、勝つ。強く、おい。

深くならないようにする癖がある。自分の欲望を抑えて清廉とした人であろうというポーズ。そうすることで自分が何者かわからなくなっている節もある。自分が何が好きで嫌いかということ。何を愛して、愛せないかということ。
舞台上に於いて、欲望を抑えるエッセンスを遮断して表現することに挑戦する。最近は無意識に時々できているからこそ、もっと密度を高めていきたい。僕に可能な何もかもができるように。それができんとおもんねぇから。

どう熱くあるか。熱くなれない不安がある。いや、自然と熱くなるやろ。そや、恐れている。自分が造れないことに。模造品をポッと出して、誤魔化す、誰を。自分を。
誤魔化そうとする精神をまず切り捨てること。そこを抑えたときに現れる私でこの喜怒哀楽に満ちた鬼畜と歓喜の平然とした世界を眺める。胸が怖いと震えている。怖くてええ。恐怖に踏み潰されてもええ。その中で接していく人々、行為、感情。これからはそういう生き方をしたい。早く、早く。焦らずして。

⭐️稽古
■体調
悪いとは思えない。精神的にいいように感じる。身体は実際疲労もあるが、そうは思えない。

■アップ
・発声
遅めでしたので、できるモノをやっていく。今日も何かを意識してやろうとしていたがうまく思い出せない。もっと強い意思をもって力まずやらねばな。

・体幹
少しできるようになる。時間は早く感じた、歌いながらやし。声を無理して出さない意識をした。先ずは始まりの私へ戻る事や。

・民衆の歌
体幹終わって休まずした。死ぬとはわかってもやってみたが、案の定声が出ない。だめやなーと勉強。

・マジカルバナナ
今日はすんなり進む。椿ちゃんが僕に2を投げてくる。あまり当たってない。来たらそれなりに投げ返せた。頭の中にみんなの名前が入っていないから。どれだけ本番でいられるか。最高の舞台を想像したときに自分には何が足りないのか。それを考えて、実行するスタイルに侵入し、確立し、成し遂げたい。成し遂げる。意識が低いのだ。まだまだ。ほんと意識が低い。もっと低いことを思い知りたい。心が動かないから、低くいられるのだ。心を動かせるようにしたい。なぜ。負けたくない。なぜだ。知らん。そんなの知らん。いや、わかるはずだ。諦めるな。考えろ。考えて、思え。

・数字飛ばし
同じ人に返さない、同じ癖を作らない。いつまでも新鮮にいこうとする。
全体で空気を共有している。俺たちはもっと高みにいけるという空気。

・朗読
今日は椿ちゃんとひかりちゃん。
この組み合わせは多いが、今日は執筆者を変えてみる。

・ひかりちゃん
周りがどんどん動く。彼女は困惑しながら自分の状態を造っている。舞台においては役者は空間の支配者とならねばならない。存在を示さなければならない。澱むな。負けるな。一人のキミが立っている。揺らいだら、傍観者になるよ。そんなんじゃない、キミは一人の人間。生きているんだ。意見があるんだ。それを聴きたい。

・椿ちゃん
何か押さえていて、おいでと言っても来ないなら僕の力不足ならびに話し方をミステイク。
今日は彼女の中を進行させた。これからもそれが続く。衝撃を振るっても(演出の話です)彼女は耐久力が高いので効果はない、今の方法では。だから、彼女に寄り添って、彼女が演劇、芝居について考えていく補助の役割に立った。
外面的には彼女がやろうとしているものを彼女の中で消化したうえで芝居にするときに役をやり切れればと思っている、今はまだ外にいる。早く中に入ればいいな。そこから他のアプローチにも移ればええと思う、容原さん。

■エチュード
なおすみさんと。キタケンと招き入れるみたいなせってー。
直澄さんが迫ってきて、うおっ怖とおもうた。それもうまく使えたらなーって。
自分が何かを誘導するとして、少し手の出し方が弱かったかなと。そしてアクションへの背景が少し初めからやり過ぎている。できた後から進められるように、それもやれるようにしたい。その為に私は日常に如何に向き合っていくかを調整しないと思うた。今回は正直、何かの誘導?のような浅くて分散して脈絡のない出来でした。

■とおしけいこ
そういさんがバンバンやってたので、バンバンにある程度乗ろうと思うた。直澄さんと同じような形態をイメージして、その上で別の表情が見えるようなスタンスで攻めようかと考えたが、自分の創生の果てに自然と現れるのが一番伝えやすいと、気持ちと思いと考えると何か攻め方がちゃうなと気づく。始まるまで、愛について考えた。愛したい、愛する、愛するものを探す、必死にと考えた。対象はいたか、いるか考えた。見つからない。なんてチンケな生きる。私の生きるの弱さ、いや探せばあるのか。私は私を好きなのはわかる、だから私、愛せなかった私、愛したくても愛せなかった私、愛を諦めた私の姿を思い返した、実像はでない。他人を愛する以前で凝り固まっている私、それでも他人を愛しようともがいているのは何故か。何故、演劇をするか。何故、私は今稽古をするのか。こうやって役について、自分について考えて出ない答えをもどかしがるのか。今は美しい! 今は熱い! 今は血潮! ならば、魂の答えはいつだって此処にあるはずだ。それに気づけず、涙も流せない私を残念やなと思えない私を嫌やと思う所以はいかほどなのだろうか。もっとスケールを大きくしたい。
やれることはやった、然しまだ粘度をあげられると感じた。短いセリフでもまだ飲み込めていない。思い切りが足りていない。離すこと。近づけること。距離の大切。
行為後に最高と最低がありますように。

⭐️そのたー
他にも書けることあったけど、今日はこんだけや。
明日も明後日もたのしみ。
やるぞー。
おー。

書くことをやってると、書こうとすることを考える。1日で随分気持ち、向き合い方が変化していることに自覚的になれる。
進化。並びに進歩。1日で思考を重ねている。1日を知る。

投稿してから思いだす。追記。
自分を曝け出すこと。苦しむこと。役者業。舞台上で生きるものの業。
もっと私は苦しめる。愛することができる。
生きるを懸命にやりたい。
其処に食らいついていけたい。