コラム

コラム②「座長、森本聡生とは」

おはようございます!長期連載企画「天文座の歩み」

第二回の今回は、この記事の執筆者であり、劇団天文座の座長、森本聡生について振り返っていきます。

僕が何故、演劇を始めたか。そして、今、演劇を続けているのか。

今回は演劇と出会う編です。

森本 聡生とは?

略歴

  • 今年で28歳になります。
  • 16歳の時から演劇に携わっています。
  • 大阪芸術大学を中退
  • 人形劇の劇団に就職して全国を旅をしていました。
  • 23歳の時に劇団さあもんに入団。
  • 25歳の時に劇団天文座を旗揚げ。

元々、演劇に興味はありませんでした。

むしろ、人前で話したり、何かをすることに抵抗感がありました。

高校に入学した時、僕は演劇部ではなく、軽音楽部に入学しました。

中学2年生の時からエレキベースに触れていて、音楽が好きだったので。

僕が入学した天王寺商業という高校(今は、統廃合により廃校)は、男女比率がぶっ飛んでいて

1学年160人中男子は16人。

9対1の割合でした。

何故その高校を目指したかというと

「就職率100%」また、成績上位者は、大阪市立大学や関西大学などに指定校で入学できるといった学校でした。

中学生の時は「安定思考」だった僕は、進学も就職も選べるこの高校はベストな選択肢だと考えていました。

それに、学校の人間関係も上手く行っていなかったので

知っている人が誰もいない、という所も選んだ理由でした。

演劇なんて、一ミリ興味がありませんでしたし、自分が関わるとも思っていませんでした。

高校に入学して、軽音楽部でバンドを組んで練習をする毎日。

高校の軽音楽部には毎年夏に大規模な大会があって、

部を代表したメンバーが出場していました。

高校1年生にして、ベース歴3年目。

上級生の先輩達よりも演奏が出来ると、当時の僕は自信満々でした。

今思えば、ただの思い上がりだったのですが笑

自分は選ばれる。

しかし、そんな思いとは裏腹に、僕は選ばれませんでした。

これがね、当時の自分にとっては納得できなかったんですよ。

選ばれなかったことを理由に部活に、行かなくなってしまいました。

夏休みを終えて、部活にも行かず、やる事がありませんでした。

学校にも慣れた頃でしたが、相変わらず友達も出来ず

勉強以外やる事がありませんでした。

当時、国語の担当だった先生と仲良くさせて貰っていて

先生に、「もっちゃん機械得意?良かったら演劇部のお手伝いに来てくれない?」

と授業が終わった後、声を掛けられました。

正直、滅茶苦茶嫌でした。

詳しい話を聞くと、演劇部の大会のお手伝いで

土曜日と日曜日は潰れるし、練習で遅くまで学校に残るんですよ?

断ろうかな?と思いましたが

ある考えが思いつきました。

「ここで、媚を売っておけば成績が上がるかも」

この頃の僕の目標は学年トップ10に入り、大阪市立大学を目指すというものでした。

なら、ここで恩を売っておくのも悪くはないか。

という下心満載で、お手伝いを引き受けました。

それが、今に繋がるとは思いもしませんでしたが。

先生に連れられて演劇部の部室に行くと、そこには同級生の女の子が5人いました。

全員、学科が違ったので話したこともありませんでしたが。

先生には、とりあえず観て欲しいと言われて、練習を観ていました。

通し稽古を観せてもらって、思ったのが

「この人達、凄い。」

大きな声、明瞭な滑舌。身体の動き。人に観られているのに

堂々と、演技をしている。

度肝を抜かれました。

熱量。

当時の自分に一番欠けていたものでした。

本気で取り組んでいる。

自分が、苦手とする人前で何かをする。

恐れず、向き合って、初めて見た自分としては

凄くレベルの高いものに見えたのですが

それでも、顧問の先生にフィードバックを貰って

また挑戦する。

「ほんまに同い年なんか?」

挑戦することから逃げて燻っていた自分には衝撃でした。

お手伝いだけど、お遊びで関わってはいけない。

やるなら最後まで真剣にやろうと

自分の中で熱い想いが沸々と湧き上がってきました。

演劇って面白い。興味を持った瞬間でした。

お手伝いの僕に任されたのは照明でした。

この後、地区大会で更なる試練が僕を待ち受けていました。

次回 高校時代編パート②「地区大会でブチギレられる」お楽しみ!

高校時代、3年間一緒に演劇を作った部活のみんな。

今は誰一人と演劇に関わっているものは、いない。

少し寂しい気持ちもしますが

同期だったみんなは結婚をしてお子さんも産まれて

お母さんとして日々奮闘しているようです。

幸せは人それぞれ

でも僕は

特に仲の良かった部長との約束を果たすために今でも活動しています。

一つの約束は、果たしたよ。

覚えてるかな?

キャラメルボックスの「アルジャーノンに花束を」を一緒に観に行った帰りにした約束。

「お互いキャラメルボックスに入団して、一緒にあの舞台に立とう。」

あの約束を君は覚えているかな?

僕自身はキャラメルボックスに入るという夢は叶わなかったけれど

一緒に4年間戦ってくれた教え子が、今年入団を果たしたよ。

100%果たしたわけじゃないけど。

間接的にではあるけれど

約束は守ったよ。