直前行動を考えよう。
ありがたいことに、この日も見学の方が来てくれました！本当にありがとうございます！
6月21日の稽古は「直前行動」という考え方を中心にシーン稽古を繰り返していきました。
直前行動とは？
海外ではMBと言ったりします。直前行動とは、シンプルに、自分が登場するシーンの直前に何があったのかを考えること。シーン稽古を始める前に1分ほど時間を使って考えてみる。その内容は、台本に沿っていなくていい。例えば、宝くじに三億円当たった後に人と話すのと、交通事故にあった後に人と話すのでは、同じ内容でも言葉の発し方や、受け取り方が変わりませんか？
直前行動を考えることは、難しくないと思います。
稽古場で、シーン稽古を始める前の１分ぐらい時間があれば、考えることが出来る。
例えば、これが「全体の目的」や「シーンの目的」また、脚本に書かれている「事実」や
脚本に書かれていない「事実」に変更を加えるとなると、
「演技」そのものができなくなってしまいます。
演技をするまでの過程は3つあります。
①理解 ②解釈 ③創造
直前行動を考えるのは演技の過程の③創造の分野で出来ることになります。
全体の目的や、シーンの目的などの脚本分析は演技の過程の①と②の分野になります。
これは、稽古場ですることではなくて、俳優が稽古場に来る前に準備をしてくること。
また直前行動を毎回新しいものにすることで、
「悪い演技」
である、「同じ事を繰り返す。」「再現する」事が無くなってきます。
演出家が求めている「新規性」を持ちながら、相手役と交流が出来るので
俳優自身、発見が大きく、楽しい稽古が出来ると思います。
また直前行動をすることで、シーンが始まってからスタートする演技ではなくて
シーンが始まる前からの連続性を持って演技をすることが出来ます。
これにより、非常に現実感のある芝居が出来るので
観ている人はよりリアリティを感じて物語を見届けることが出来ると思います。
とまぁ、それぐらい直前行動の有効性は高いのかなと思いますので
もし、稽古で行き詰まったりしたら試してみてください。
延長稽古
劇団天文座は基本的に22時までが稽古の時間となっていますが
劇団員の要望があれば、22時以降も稽古をすることが可能です。
夜中でも早朝でも、劇団員が「稽古したいんです！」と言えば
稽古をする事が可能です！もちろん、学生さんや未成年の方はできませんが！
演劇界の24時間営業「コンビニ」を目指している劇団天文座
この日は延長稽古で、永井君が悩んでいる「脚本分析」について
名畑先輩と一緒に解決の糸口を探しました。
23時まで延長しましたが、その中で、少し悩んでいることは解消できたのかもしれません。
また、永井君は入団して一ヶ月。天文座の考え方ややり方について改めて説明をしました。
皆様はPDCAサイクルという言葉を知っていますか？
PDCAサイクル
①PLAN「計画」🟰公演を決める。
②DO「実行する🟰稽古をして本番をする。
③CHECK🟰本番で起こったことについて何故そうなったのか、実際にどうだったのかを評価・分析をする。
④ACTION🟰次回公演に向けての課題をリストアップをして、それを改善するために基礎稽古を行う。
というビジネスモデルがあるんですが、これが半年に1回の本番の劇団だと、年に2回しか回すことが出来ない。
けれども、天文座は月に1回本番があるので、全部に参加すれば1年間で12回このサイクルを回すことが出来るんです。
サイクルを回せば回すほど、精度が上がって行って、俳優としてレベルアップできます。
なので、1回1回の本番を大事にするのは、大切ですが
現状、自分が思っている理想の演技が出来なくても、落ち込む必要はないんです。
このサイクルを回しているうちに、気がつけば成長して
自分の理想とする演技が出来るようになってきます。
大切なのは、このPDCAサイクルを止めないこと
止めずに回し続けることが大切だというお話をしました。
盛り沢山の6月21日でした！
見学の方にもきて頂いて、延長稽古もして
昨日も、情報量の濃い劇団天文座でした。
見学の方にも「知識が凄い！」と褒められて、内心ガッツポーズをしていた
代表の森本ですが、気がつけば演技指導をするようになって4000時間が経過していました。
自分のもてる知識・経験・指導で、劇団員達が成長して、自分の夢を叶えるサポートを
これからもしていきます！
もし演技で悩んでいる俳優さんや、俳優に自分のしてほしい演技を伝えられない演出家さんがいましたら
いつでも、見学に来てください！
また、もし必要だったら現場に呼んでください！
