稽古日誌

☆稽古日誌6月23日☆

明日の本番に向けて最終調整をする二人

準備の大切さ

昨日は、第28回公演「ふたり、静かに、流れる」12ステージ目が終了後に稽古をしました。

24日の本番に出演する俳優の最終調整のための稽古でした。

その中で、「俳優が稽古までに準備をしてくること」についてお話をしました。

24日と25日の本番には間に合わないかもしれません。

それでも、知っておくだけで、本番の後に次の改善点を発見しやすくなると思い

このタイミングでお話をしました。

演技の過程

俳優が演技をするまでには3つの過程が存在します。

  • ①理解  物語全体を理解する。台詞の意味を理解する。
  • ②解釈  脚本分析を行う。
  • ③創造  実際に稽古場で試す。

俳優が本番を迎えるまでに、この過程を繰り返し行なっていきます。

その中で、俳優が準備をしてくる①理解と②解釈の部分と

実際稽古場で試していく③創造の分野で考えることが明確に違ってくるということです。

稽古場で、演技をする時に①理解と②解釈の部分を考えて演技をした場合

上手くいかないことがあります。

その部分に意識と集中を持っていかれるので

「相手に何かをする」という演技の本質の部分が出来なくなってしまう。

相手のことに対して意識が向かず、自分のことに意識が向いてしまう。

「自意識」が強く働いてしまうので、演技をする目的が

「行動」することから「ちゃんとやろう、上手くやろう」という目的になってしまいます。

まずは、稽古場で考えることと、そうじゃないことについて明確にしていく。

そして、稽古場で考えるべきではないことを考えないために

準備の段階で、考え切っておくのが大切です。

準備をして、アイデアがない状態で稽古をしても

それは、台詞の確認でしかないのです。

相手役とコミュニケーションを取っていく

演出家と物語を立ち上げていくためには

準備が大切なんです。

もちろんこれは、演出にも言えることです。

演出家もノープランで稽古場に入ってはいけない。

①理解と②解釈の部分をして

アイデアを持った状態で稽古場に入ることが大切です。

俳優のアイデア任せの演出家は演出家ではありません

観客と同じ立場になっています。

片方だけが物語の責任を持つのではなくて

俳優も演出家も対等に

そして活発にアイデアの交換をしていくのが望ましいです。