準備の大切さ
昨日は、第28回公演「ふたり、静かに、流れる」12ステージ目が終了後に稽古をしました。
24日の本番に出演する俳優の最終調整のための稽古でした。
その中で、「俳優が稽古までに準備をしてくること」についてお話をしました。
24日と25日の本番には間に合わないかもしれません。
それでも、知っておくだけで、本番の後に次の改善点を発見しやすくなると思い
このタイミングでお話をしました。
演技の過程
俳優が演技をするまでには3つの過程が存在します。
- ①理解 物語全体を理解する。台詞の意味を理解する。
- ②解釈 脚本分析を行う。
- ③創造 実際に稽古場で試す。
俳優が本番を迎えるまでに、この過程を繰り返し行なっていきます。
その中で、俳優が準備をしてくる①理解と②解釈の部分と
実際稽古場で試していく③創造の分野で考えることが明確に違ってくるということです。
稽古場で、演技をする時に①理解と②解釈の部分を考えて演技をした場合
上手くいかないことがあります。
その部分に意識と集中を持っていかれるので
「相手に何かをする」という演技の本質の部分が出来なくなってしまう。
相手のことに対して意識が向かず、自分のことに意識が向いてしまう。
「自意識」が強く働いてしまうので、演技をする目的が
「行動」することから「ちゃんとやろう、上手くやろう」という目的になってしまいます。
まずは、稽古場で考えることと、そうじゃないことについて明確にしていく。
そして、稽古場で考えるべきではないことを考えないために
準備の段階で、考え切っておくのが大切です。
準備をして、アイデアがない状態で稽古をしても
それは、台詞の確認でしかないのです。
相手役とコミュニケーションを取っていく
演出家と物語を立ち上げていくためには
準備が大切なんです。
もちろんこれは、演出にも言えることです。
演出家もノープランで稽古場に入ってはいけない。
①理解と②解釈の部分をして
アイデアを持った状態で稽古場に入ることが大切です。
俳優のアイデア任せの演出家は演出家ではありません
観客と同じ立場になっています。
片方だけが物語の責任を持つのではなくて
俳優も演出家も対等に
そして活発にアイデアの交換をしていくのが望ましいです。