稽古場で考える事・家で考える事
初日の公演に出演した山﨑直斗と二日目、三日目に出演した名畑秀一と稽古をしました。
主に、稽古場で考える事と家で考える事についてお話をしました。
それに合わせて「俳優の仕事」と「演出家」との関係性についてもお話をしました。
俳優の仕事とは?演出家との関係性とは?
Googleで「俳優の仕事」と検索すると上記の内容が一番上に出てきました。
ここに書いてあることは間違いではありませんが、正解ではありません。
演出家や監督の指示に従って演技をする
=俳優の仕事なのでしょうか?
この文章の書き方的に、僕は「日本的」だと思います。
日本の演劇の考え方はトップダウン式=演出家や監督が一番偉くて、その下に俳優が存在しているという構造が当たり前になっている。
演出家や監督と俳優というのは、対等な立場で一緒に作品を作っていくと言うのが海外では当たり前。だからこそ、海外の映画や舞台には、監督や演出家とは別に「演技コーチ」が座組にいる。
演出家や監督に言われたことだけをするのではなくて、俳優自身も考えて、演技プランを持ち、お互いにアイデアを出し合う場所というのが稽古場だと思います。
行き当たりばったりで演技をするのではなく、事前に何をするか?どうやって演技を実行するか?それを考えてくるのが俳優の仕事だというお話をしました。
また演出家のアイデアを貰って、それだけを実行するのも違う。
お互いがクリエイターなわけですから、一緒に作品を良くするためにアイデアを考えていこう!というお話をしました。
行き当たりばったりの演技は危険が伴う。
事前にプランやアイデアを持っていない俳優さんの演技には危険が伴います。
それはなぜか?
例えば、相手役に触ったり、接近することがあるかもしれません。
常識的な範囲内だった場合は問題がないかもしれません。
でも、その範囲内は人それぞれ違ってきます。
そんな中で「相手に急に触られたり、異常に距離を詰められる」といったことをされたらどうでしょうか?
まぁ、もちろんね、舞台なんだからとか、演技だから、とか言う人もいるのはわかってるんですけどね。
だからと言って、何をしてもいいわけじゃない。それこそ、相手役にも演出家にも脚本に対してもリスペクトがない。
普通に誰かを傷つける可能性だってあるし、怪我をさせる可能性もある。
事前に、そういうプランがあるなら演出家と相手役に相談して、了承を取った上で実行すべきです。
日常生活で、恋人でも家族でも親友でもない関係性の人の身体に触れますか?
お芝居だから触れるって言うのは「嘘」を吐いているだけです。
6月20日の稽古はこんな感じでした!
話し合いをしながらも、芝居自体のクオリティを上げるために
語尾をあげたり、目的を持ったり、とさまざまなアイデアを試しました!
山崎直斗さんも名畑秀一さんも本当にストイックな俳優さんです。
お二人の成長をお楽しみに!